2019-12-21
プッチダモンに欧州議員証発行
12月19日、欧州司法裁判所はジュンケラス元カタルーニャ州副首相が欧州議員として不逮捕特権があるとの判決を行った。これは、今年5月の欧州議会議員選挙に獄中立候補したジュンケラスが当選したにもかかわらず(https://neoyamashita.kagoyacloud.com/2019/05/28/euelection-2/)、獄中に拘束されていることは議員不逮捕特権が侵害されており、ヨーロッパ市民としての政治的権利が侵害されていると判断したものである。しかし、ジュンケラスについてはスペイン最高裁が13年の禁固刑判決を下しているので、欧州議員として活動できるかは最高裁の判断に委ねられる。
他方この判決に連動して、プッチダモン、コーミンの亡命組は欧州議員として認定を受けることになり、スペインを含めてEU内を自由に動けることとなった。
ダヴィデ・サッソリ欧州議会議長はスペイン当局に欧州司法裁判所判決を受け入れることを促した。また、議会構成を再編する手立てを講じた。プッチダモンたちの議会立入禁止措置を解除した。
12月20日、プッチダモンとコーミンに臨時の欧州議員証が発行された。この日で欧州議会は年末年始休暇に入るため、1月13日の議会開会日に両名は正式に認証されることとなる。スペイン政府は、プッチダモンたちの欧州議員認定に反対しており、スペイン最高裁も欧州逮捕状を取り消していないことから、予断は許されない。
他方、サンチェス・スペイン首相は組閣についてカタルーニャ独立派からの支持を得ようとしているが、プッチダモンたちのスペイン「帰国」について認めるかどうかの新たな問題を抱えることとなり、組閣もスムーズに進まないことが予想される。
参考資料
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