カタルーニャ総選挙、独立派は過半数に達せず―プッチダモン大統領選出の可能性

 5月12日、カタルーニャ総選挙が行われた。スペイン政権与党である社会党が42議席で第1党、Junts+が35議席で第2党、ERCが20議席で第3党となった。以下、国民党PP15議席、Vox11議席、Sumar(コミュンズ)6議席、CUP4議席、AC2議席。Junts+、ERC、CUPの独立派3政党を合わせても59議席となり、過半数68議席に達せず、2012年以降多数派であった独立派の後退は明らかとなった。
 しかし、どの政党も単独過半数とならず、連立政権か再選挙になる。アラゴネス現首相はERC敗北の責任を取って第一線から引きことを表明した。

  

  プッチダモン政権の可能性
 今後の議会日程は、まず6月1日までに議長を選出することから始まる。議長選出後10日間に首相選出が行われるが、候補者が過半数を得られない場合は、その後2か月の間に2回目の選出が行われる。それでも首相が選出されない場合は、10月に再選挙となる。
 社会党を始めとした5政党は選挙期間中に、PPあるいはVoxと連立を組まない協定を結んだ。また、ERCは社会党との左派連立政権に与しないことを表明した。
 亡命先の北カタルーニャ(フランス)に選挙拠点をおきJunts+を率いて立候補したプッチダモンは首相選出議会に出席することを明言している。スペイン国会における恩赦法が5月下旬に通過して成立することで、逮捕が避けられるとよんでいる。
 Junts+プッチダモンが首相に選出されるには、2回目の選出議会において相対多数を獲得するしかないが、Junts+に他の独立派政党を加え、かつ社会党が棄権に回る必要がある。プッチダモンは社会党をPPなどとの連立に走らせないために、スペイン国会でのサンチェス政権選出における協定を担保に社会党に圧力をかけている。独立派少数政権を樹立して、分断されてきた独立運動の再統一を目指している。

      連立政権成立のパターン

参考資料

https://www.elnacional.cat/en/politics/salvador-illa-clear-winner-catalan-election-independentist-bloc-falls-short_1214505_102.html
https://www.elnacional.cat/en/politics/puigdemont-seek-catalan-parliament-minority-government_1215207_102.html?
https://mailchi.mp/acn/inconclusive-catalan-election-rodalies-chaos-and-dals-anniversary?e=c69c9d4c27
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