盛況 <フォーラム>「自己決定」を巡って-カタロニア・沖縄

 

10月5日、東京日比谷図書文化館において   <フォーラム>「自己決定」を巡って-カタロニア・沖縄   が開催された。

7月はじめに、ANC(カタルーニャ会議)書記のAlsinaさんから山下に連絡が入り、10月に東京に行くから、討論会かシンポジウムのようなものを開いてくれないかとの依頼があった。Alsinaさんは山下がカタルーニャ独立運動に関心を持っていることを聞きつけ、連絡してきたのであった。

山下は、東京の友人たちに声をかけ、フォーラムを開催する相談を行った。日本においてカタルーニャ独立をテーマとした議論は、研究者以外には行われておらず、手探りの準備が始まった。また、カタルーニャ独立運動を語るにあたり、沖縄独立も考えるのが重要であろうとなり、松島泰勝(龍谷大学教員)さんの講演も頼むこととなった。そして、東京在住のカタルーニャ出身者でつくる「CDR Tokioグループ」からも報告を受けることとなった。CDRとはCommittee for the Defense of Republicの略称で、住民投票で決定された「共和政」を守ろうという市民の集まりである。
3ヶ月足らずであったにもかかわらず、フォーラムは準備が整った( forumcataluna )。

フォーラムは、呼びかけ人を代表して山下から「このテーマについて呼びかけ人の間でも意見が一致しているものではなく、公開討論の場というフォーラムの名前にふさわしい議論ができたら」との挨拶から始まった。
CDR TokioグループからはIsaacさんが登場し、歴史を含めてカタルーニャの紹介と独立運動の経緯を簡単に報告した。
Alsinaさんは、2017年10月1日の住民投票から始まる経緯を1時間にわたって解説した。そして、カタルーニャ政府及び独立派政党が独立への動きに足踏みをしている現状があることから、ANCは「共和政」樹立のために市民運動を活性化する方針であると報告した。その方針に基づいて、国際的な支援を呼びかけること、また来年予定されている地方選挙で独立派を大量当選させる取り組みが行われている。Alsinaさん自身もバルセロナ市長選の予備選挙に立候補している。
次に、松島泰勝さんから琉球独立の歴史的背景、法的正当性、経済的可能性がわかりやすく提起された(その内容は別の機会に)。

参加者からは、ポデモスがなぜカタルーニャ独立に賛成しないのか、独立派が市長候補を一本化できないのはなぜか、カタルーニャではスペイン語はどれくらいの割合で話しているのかなど多くの質問がでたが、時間の制約のため政治的な質問に限って応答があった。

フォーラムに先立って、少人数の意見交換も行われた。その中で、特筆すべきことがいくつかある。
例えば、カタルーニャ人とはカタルーニャ民族ではなく、その地域に住んでいる人のことであり、Alsinaさん自身も母親がポルトガル人であり、彼自身もポルトガルのパスポートを持っていた。
独立の是非を問う住民投票は、2010年から行われており、それも市町村単位で行ってきた。投票事務は住民がボランティアで行い、反対投票も大きな拍手で歓迎する様子が動画に写されていた。この小さい単位の住民投票によって、みんなが独立の意味を真剣に考えるようになったということであった。


10月6日、カタルーニャではANCが、12月21日までに共和政の道筋を示さない場合は、トーラ政府支持はやめると声明を発した。また、9日には以下の見解を発表した。独立のためには3つのシナリオがある。それは①スペイン政府との自主的合意に基づく住民投票実施 ②国際機関からの要請によるスペイン政府との合意に基づく住民投票実施 ③一方的独立。このうち③がもっとも現実的であり、独立後の政府や諸制度案についても提起している。このため、国際社会に訴え、海外在住者が自己決定防衛に向けてまとまるように働きかけ、政府・議会・市民社会の三位一体で共和政を実現するとしている。

スペイン政府はカタルーニャ政府からの対話呼びかけを拒否しており、緊迫した状況が生まれそうだ。

参考資料

https://mailchi.mp/assemblea/catalans-rally-a-year-after-the-referendum-for-self-determination-on-1-october-to-insist-on-making-it-effective?e=e7c73110d3