プッチダモンら国外亡命組が自由の身-スペイン最高裁が欧州逮捕状撤回

 

7月19日、スペイン最高裁ヤレナ判事はプッチダモンらカタロニア指導者6人の欧州逮捕状を撤回した。これにより、彼らはスペイン国内に戻らない限り自由の身となった。
ヤレナ判事の決定は、欧州逮捕状に基づいて審議していたシュレスウィグ・ホルスタイン高等裁判所(ドイツ)が7月12日に公金不正使用容疑に限りスペインへの身柄引き渡しを決定したことによる。ドイツ裁判所は、プッチダモンについての容疑を審議したが、昨年10月1日の住民投票において暴力を行使した証拠がないことから、ドイツ法では反逆罪等には問えないとした。
スペイン最高裁は、国家反逆罪・扇動罪など他の容疑が否定されたことから、反逆罪等で起訴することができないため、欧州逮捕状を撤回する決断となった。反逆罪・扇動罪の場合は最高32年の懲役に処すことができるが、公金不正使用は軽微な罪となることから、最高裁は身柄引き渡しを受け入れなかったのである。

スペイン最高裁が発行した欧州逮捕状の容疑について、ドイツ裁判所が事実認定を行ってその容疑の重要な一部を否定することは、国家裁判権の否定であろう。スペイン最高裁及び保守系政党が国家主権の侵害であると抗議したことは、国民国家と国際関係からすれば当然である。
しかし、欧州逮捕状容疑の本質は、住民投票に際して暴力沙汰があったかどうかではなく、その住民投票が国家からの独立をめざしたことにある。スペイン最高裁は、同じ容疑で予防拘束しているカタロニア政治犯9人については、「再犯のおそれがある」として保釈も認めていない。スペイン国内では「フランコ独裁」復活の様相を示している。
他方、EUを始め欧州各国はカタロニア問題について沈黙を決め込み、「政治犯は存在しない、刑事事件である」「これは国内問題である」と主張するスペイン政府になんらの非難を行っていない。そうした中にあって、欧州逮捕状はベルギー、スコットランド、スイスの裁判所ですでに無効決定あるいは自主撤回されているが、ドイツ裁判所が事実認定に踏み込んだことは特筆される。

今回の欧州逮捕状撤回はカタロニア独立運動を勇気づけるのは間違いない。バルセロナを始めカタロニア全体で大きな動きが今秋に予定されており、カタロニア議会独立派と市民運動は「カタロニア共和国」設立の準備に入っている。独立運動指導者たちは、「カタロニアの道」を知らせるために、世界各国に出向いている。そして、この運動はスコットランドやベルギー等欧州各国における独立運動に大きなインパクトを与えている。

参考資料
https://www.elnacional.cat/en/news/spain-extradition-catalonia-carles-puigdemont-politicians_289575_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=8bba6856bc-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-8bba6856bc-293793389

https://mailchi.mp/assemblea/ex-catalonia-leader-can-be-extradited-but-not-on-the-charge-spain-wants-anc-in-the-press?e=e7c73110d3