スペイン政府との3回目の会合も進展なし
7月27日、カタルーニャの政治紛争を解決するとして始められたスペイン政府とカタルーニャ政府の第3回会談が行われた。1回目は2020年2月、2回目は2021年9月であったが、今回も目新しい進展はなかった。サンチェス社労党連立政権樹立のための国会多数派を形成するために、サンチェス政権がカタルーニャ独立派ERCに約束した会談であるが、カタルーニャ紛争の解決には寄与していない。サンチェス政権は、階段を続けることだけが目的であるとおもわれる。
カタルーニャ独立派各団体が批判
独立派市民団体であるANCはコミュニケを発表して、活動家をスパイしたカタランゲートの件、2017年独立住民投票で4000人が訴追された件、プッチダモンらへの欧州逮捕状などの件が全く議論されなかったことを批判した。そして、9月11日の「カタルーニャの日」に「勝利を取り戻そう、独立」がスローガンデモを呼びかけた。
また、カタルーニャ共和政協議会は独立住民投票5周年にあたる10月1日に集会デモを行うと発表した。スローガンは「10月1日を守ろう、独立を達成しよう」である。Catalan National Assembly (ANC)、 Òmnium Cultural、 the Association of Municipalities for Independence、 the Intersindical CSC union、Barcelona Chamber of Commerceといった市民団体、労働組合、商業会議所が賛同している。
8月5日、スペイン政府の2020年税収支が発表された。カタルーニャは(個人当たり)納税で2番目、税交付は10番目の自治州であることが判明した。このような収奪構造について、ペレ・アナゴレス(カタルーニャ)首相は独立でしか構造は変えられないと表明した。
スペイン統一派によるカタルーニャ語排除運動
8月8日、カタルーニャ語に代わってスペイン語の標準語化をめざすグループEscuela de Todosは9月11日のカタルーニャの日の直後に、バルセロナで集会・デモを行うことを呼びかけた。スローガンは「スペイン語を標準語に」である。このグループは、スペイン各地からバルセロナに向けたバスのチャーターを行うという。
これと別のグループHablamos Españolは、スペイン語だけを国語にする運動を行っており、スペイン語を第二言語にしている地域においても「スペイン国語化」集会・デモを企画している。
参考資料