4月18日、アメリカで発行されているニューヨーカー紙は、トロント大学「市民研究室」が突き止めたとして、スペイン政府がイスラエル企業NSOグループが開発したペガサスというソフトウェア―を使って、2015年からカタルーニャ独立運動家65人を違法盗聴していたと報道した。カタランゲートと名付けられたサイバー盗聴は、ペガサスソフトで携帯電話を感染させ、メールを読み、カメラやマイクを遠隔操作することもできるものであり、各国政府にしか販売されていない。
4月19日、カタルーニャ独立運動をすすめる3政党と2市民団体がブリュッセルで記者会見を行い、欧州議会もスパイされていた可能性があり、携帯電話が盗聴された国すべてで、プライバシー侵害で訴訟を起こす方針を表明した。また、欧州委員会もEU加盟国に調査を行うことを指示した。さらに欧州議会もペガサス・ソフト調査委員会を設置した。
しかし、スペイン政府は、盗聴にはかかわっていないとする反面、国家機密に属することとしてペガサスを使用しているかについての質問に、答えなかった。
カタルーニャ政府は、スペイン政府との関係を打ち切らないが、信頼は喪失した、として正常な関係ではいられないと表明。
4月20日、スペイン国会でポデモスの呼びかけにより少数政党10政党がカタランゲート調査委員会設置を求めた。連立与党からの求めにもかかわらず、政府は諜報機関であるCNI(国家情報センター)は適法に活動していると答弁した。他方、CNI自身はペガサスソフトは外国をスパイするために購入したことが報道された。
CNIによる携帯盗聴は裁判所の許可が必要だが、カタルーニャ政治家・活動家の携帯盗聴に最高裁は許可を与えていない。カタルーニャは「外国」ということか。
参考資料
関連