トーラ州知事への公民権停止判決(https://neoyamashita.kagoyacloud.com/2020/09/30/torraleave/)により、カタルーニャ州議会選挙が始まった。
州議会はコロナ感染拡大が続くなかでの選挙になると、感染者等の投票行動が困難なことから、当初予定されていた2月14日投票日を5月30日に延期する決定を行った。この決定の取り消しを求める訴訟が起こされ、カタルーニャ州高裁は2月14日投票とする判決を下した。
コロナ感染拡大防止のための延期決定、裁判所の決定無効判決、服役政治犯の選挙運動可能決定、スペイン保健相の辞任と選挙立候補、極右政党の議席獲得可能性、という異例づくめ選挙が始まった。
独立派知事阻止のブロック
選挙で当選した議員によって知事をはじめとする州閣僚が選出される制度であるため、各政党はあらかじめ知事候補を公表して選挙運動を始めた。
現政権は、ERC、JxCat、(CUPが閣外協力)という独立派政党で構成されているが、スペイン中央政府与党である社労党と協力関係にあるERCと敵対関係にあるJxCat との間が不仲になっている。事前予想では両政党が第1位を争っているが、選挙結果によっては他の政党との連立が生まれる可能性がある。
社労党は、イリャ(スペイン保健相)を辞任させてカタルーニャ選挙リスト第一位(かつ市長候補)に立候補させている。コロナ感染拡大が続く中での保健相辞任には批判が多いが、カタルーニャ独立を阻止するためなりふり構わぬ立候補である。また極右政党Voxが初議席をとる可能性も出てきている。さらにポデモスが独立反対の立場にあり、連立のパターンはいくとおりもある。
JxCatの候補者リスト第一位で立候補しているプッチダモン(市長候補は女性国会議員)は、社労党・ポデモス・右派連立を懸念して、ERCに社労党と距離を置くように呼びかけている。2019年バルセロナ市会議員選挙でERCが第一党となったにもかかわらず、社労党・ポデモスが右派政党の協力を得てアダ・クロウ(ポデモス)に市長をもっていかれた経緯があるからである。
週末と週日昼間に選挙運動への合流が許可された服役政治犯9人は、自己決定と弾圧反対・恩赦を呼びかけるとともに、ERCとJxCatとの戦略的合流を呼びかけている。
イグレシアス(ポデモス代表)が政治亡命と評価
2月15日、パブロ・イグレシアス(ポデモス代表兼副首相)は、プッチダモンたちはフランコ独裁政権下の第二次共和政亡命政府と同じように亡命しているのであり、逃亡ではないとインタビューに答えた。しかし独立を目指す運動は間違っているとする。
これに対してスペイン社労党は「スペイン亡命政府(亡命者)は現憲法を支持しているが、他方は壊している」と反論。イグレシアスはカタルーニャを刑事事件化する動きには賛同しないと改めて強調した。
参考資料
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