スコットランドが独立住民投票に動く
6月14日、スタージョン・スコットランド第一首相は、イギリスBBCのインタビューに答えて、2023年末までには独立住民投票を行うことを明らかにした。2014年の投票では独立支持が過半数に達しなかったが、その後イギリスのEU離脱による生活費上昇、成長率低下、格差拡大がもたらされていることから、スコットランドがEUに入ることを意味する独立は承認されるとの見通しが高い。イギリス政府は前回と違って住民投票を認めない方針を打ち出しているが、スコットランドはイギリスに制止されても住民投票を行うとしている。
スコットランド政府は、独立のメリットを説明するために順次広報を出していくとしている。その第1弾では「より豊かで幸福で公平な新しいスコットランド」と銘打って、OEDC諸国にあってイギリスの国民所得が低位にあること、北欧等の小さな諸国が上位にあることを提示している。
カタルーニャを激励
スコットランド首相が、イギリスが制止しても住民投票を行うと発表したことは、カタルーニャ独立運動に大きな刺激を与えている。2017年10月のカタルーニャ独立住民投票はスペイン政府の暴力的弾圧によって妨害され、自治州政府・州議会が解散させられたが、独立宣言は有効であるとして、スペイン政府との対話など独立にむけた具体策が探られている状況にある。こうしたなか、スコットランドがイギリスとの合意なしに、独立住民投票を実施するとなれば、カタルーニャ独立に弾みをつけることは間違いないであろう。
「授業を25%スペイン語で行え」に対抗したカタルーニャ政府の指令
2021年末から紛争が続くカタルーニャの学校授業でのスペイン語使用問題について、5月30日カタルーニャ政府は、教育相の責任で比率にこだわる必要はない旨の指令を発した。学校授業の25%をスペイン語で行うとしたカタルーニャ高裁決定の実行期限を5月31日に控え、各教育センター(学校)はこの指令に基づくカリキュラムを教育省に提出い、教育省が30日以内に承認することで、学校及び校長の責任はなくなることとした。
カタルーニャ語は日常言語、スペイン語は教育言語ともいうべき区分けとなった。
参考資料