2021-06-05
ヨーロッパがカタルーニャ政治犯釈放を求める
6月3日、欧州評議会議員会議が設置する人権司法委員会は、カタルーニャ政治犯の釈放、スペイン刑法改正を求める報告書を採択した。委員会は、政治家には表現の自由が保障されるべきであり、自らの信条を発言することによって訴追されるべきでないとして、カタルーニャ政治犯やトルコ野党指導者の即時釈放を求めた。
報告書は議員会議に提出され、近いうちに審議される。なお、報告書を提出した委員会代表はラトビア社会党出身であり、スペイン代表と同じ社会主義者グループに属している。
スペイン政府の反応
6月4日、スペイン外相は、前日に行われた欧州評議会議員会議人権司法委員会の報告は誤認と偏見に基づくものであると批判した。すなわち、カタルーニャ政治犯は信条を表現したことをもって実刑判決となったのではなく、憲法秩序に違反したからであると反論。しかし同時に、裁判ではなく、憲法の範囲内で政治的対話による解決が望ましいとも述べた。
欧州司法裁判所がプッチダモンらの刑事免責特権を容認
今年3月、欧州議会はプッチダモンらカタルーニャ選出3議員の刑事免責特権(不逮捕特権)を剥奪する決定を行った。この決定について3議員は欧州司法裁判所に執行停止の仮処分を求めた。6月2日、欧州司法裁判所は議員免責剥奪停止の仮処分を行った。プッチダモンら3議員は、当分の間、刑事免責特権を享受して、欧州逮捕状の執行を免れることとなった。
欧州司法裁判所が欧州議会の決定を否認することは前代未聞のことである。この決定に対して、欧州議会が控訴するかが注目される。
参考資料
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