ノーベル賞受賞者たちがカタルーニャ政治犯の釈放・恩赦を求める声明
1月4日、世界著名50人がカタルーニャ政治犯の釈放と恩赦を求める声明を発表した。声明は、ワシントンポスト紙、ガーディアン紙に掲載される。声明に署名したのは、ジルマ・ルセフ前ブラジル大統領、ジョディ・ウィリアムズら5人のノーベル賞受賞者、オノ・ヨーコ、ジョーン・バエズ、艾 未未たち多士済々である。声明では、昨年の国連恣意的拘禁作業部会決議を踏まえて、政治問題を司法制度で解決する道はさらなる弾圧を呼び起こすと警告して、スペイン政府に対して政治犯の即時釈放と恩赦の適用を求めている。
賛同署名は、https://dialogueforcatalonia.com/#signで受け付けられている。
最高検は恩赦に反対
扇動罪改正あるいは恩赦法改正を検討することになったスペイン政府に対して、最高検はカタルーニャ政治犯への適用に反対することを明らかにした。その根拠は、政治犯たちが反省していない、というものである。
コロナ危機の真只中で、健康相辞職か
12月30日、スペイン保健相であるサルバドール・イリャ(カタルーニャ社会党)が保健相を辞職して、2月14日に行われるカタルーニャ選挙に立候補することを発表した。候補者名簿第一位として、当選すればカタルーニャ州知事に就任するという。「住民の半数ではなく、すべての住民を代表する政治を」とする訴えは、独立派が多数となっているカタルーニャをスペイン国家に引き戻すことを狙ったものである。
しかし、独立運動を弾圧しているスペイン中央政府の閣僚であった人物が、「すべての住民を代表する」ことは不可能である。なにより、コロナ危機に立ち向かう先頭に立つべき保健相を辞職しての立候補には大きな疑問が寄せられている。(1月4日、イリャは選挙当日まで保健相をパートタイムで行うとしたことから、右派である国民党、市民党、極右Voxだけでなく、連立政権ポデモスからも辞職が求められた。)
社共連立といえるサンチェス社労党・ポデモス政権は、コロナ危機よりもカタルーニャ危機を重大にとらえている。ここでも、社会主義・共産主義が国家中心主義であることを示している。
クララ・ポンサチが出版
カタルーニャ閣僚で亡命政治犯となったクララ・ポンサチ(スコットランド在住)がカタルーニャ問題を解き明かす出版を行った。副題にあるとおり、なぜ多くのカタルーニャ人がスペインから離脱したいのかについて多方面から分析されている。
近日中に拙ブログでも内容を紹介する。
参考資料