カタルーニャ独立裁判はじまる―独特な司法制度
2019年2月12日、スペイン最高裁でカタルーニャ独立裁判(Catalan Independent Trial )がはじまった。
被告は、独立住民投票を指導したことが反逆罪、扇動罪、公金不正使用にあたると起訴された12人。当時の州政府幹部、州議会議長そして市民運動家たちである。被告の弁護人は8人。
裁判官は7人で、陪審員はいない。
検察側は7人だが、検察官4人、国家弁護士1人(スペイン政府を代表)、民間弁護士2人(極右政党VoX書記長ら)という独特の司法制度である。
3か月をかけて尋問、証拠調べが行われる。数百人が証人登録されており、ラホイ前首相も含まれている。被告側はプッチダモンのビデオ証言を申請したが、裁判所は却下した。
審問が終わると、半年後ぐらいに判決が予定される。最高裁判決については国内で上訴できないため、欧州人権裁判所が次のステージとなる。
すでに、ドイツ、ベルギー、スコットランド等の裁判所は、亡命政治犯について反逆罪等は適用できないと判断しているため、仮にスペイン最高裁が有罪判決を出したとしても欧州人権裁判所で逆転することが予想される。
海外メディアの関心
「自己決定は権利であり、犯罪ではない」とカタルーニャ市民団体等が訴えているが、海外メディアの多くは同様の視点から報道している。
この海外メディアを含めて人権団体等が裁判取材・傍聴を申し入れたが、最高裁は受け入れなかった。その理由として、裁判は動画で放映されるからだという。確かに、動画はYouTubeにアップされている(https://youtu.be/93EA_G1R0jg)。
カタルーニャ独立裁判の被告は、12人の政治犯だけではなく、スペインの民主主義も被告であると報道されている。
参考資料
https://www.elnacional.cat/en/news/catalan-independence-trial-timetable-sentences-hearings_353214_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=0f79bae336-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-0f79bae336-293793389