ラホイ首相不信任可決-サンチェス社会労働党連立政権樹立で予想外の展開

トラ(カタロニア)首相は、5月19日に新政府閣僚名簿を発表した。しかし、ラホイ(スペイン)中央政府は、閣僚名簿に被投獄者・亡命者4名が含まれていることから賛成せず、閣僚名簿を掲載するカタロニア州公報を発刊しなかった。法律では、公報が発刊されないと組閣ができない仕組みとなっている。
そこで5月29日、トラ首相は閣僚4名を差し替えて公報発刊を中央政府に求めた。同時に、差し替え前の公報を発刊しない中央政府を最高裁に提訴した。

こうしたことがカタロニアで起きているなか、5月24日特別裁判所は、ラホイ政権与党である国民党が巨額汚職事件で不正に政治資金を得たとして、党幹部・国会議員らに有罪判決を下した。
そこで翌日、野党第1党である社労党サンチェス書記長はラホイ首相不信任決議案を国会に提出した。その採決が6月1日に行われ、賛成180(過半数176)で不信任決議案が可決された。180の内訳は社労党85、ポデモス71、カタロニア独立派17、バスク地方政党7であった。そして、サンチェス書記長が首相に就任した。市民党シウダダノスは、総選挙を求めて不信任決議案に反対し、サンチェス首相がカタロニア独立派と連携したことを非難した。サンチェス書記長は、選挙で選ばれた国会議員でなく、野党からうまれた政権であり、極少数与党であることから、政権運営はカオス状態だといわれる。

社労党は、カタロニア独立に反対の立場であり、リーダーたちの逮捕投獄・亡命者の欧州逮捕状を支持するとともに、サンチェス書記長はトラ首相を「(フランスの)ル・ペンと同じ」だと批判してきた。

カタロニア政府は、カタロニア政府の承認、逮捕者の釈放、亡命者への逮捕状撤回をサンチェス新政権に求めて、協議を申し入れた。

参考記事
https://www.elnacional.cat/en/news/pedro-sanchez-prime-minister-spain-rajoy_274068_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=afd621017e-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-afd621017e-293793389

 

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