カタルーニャ亡命政治犯が帰還するも拘束

 3月28日、ポンサチ元カタルーニャ教育相(現欧州議会議員)が2017年以降亡命していたスコットランドおよびブリュッセルからバルセロナに帰ってきた。陸路による帰還であった。
 スペイン刑法が1月に改正施行され、扇動罪は消滅したため、ポンサチには不服従罪(2017独立住民投票を認可しなかった憲法裁判所の決定に違反したこと)で裁判所への出頭が求められているが、有罪であっても公民権停止だけなので逮捕・勾留にはならないとの判断であった。また欧州議会議員として不逮捕特権があることも後押しをした。
 5年5か月の亡命を終えて、記者会見に臨んだポンサチは、スペイン国家と取引するためではなく、闘うために戻ってきた、と語った。

 欧州議員証を示すポンサチ

 ところが、カタルーニャ警察Mossosは記者会見後のポンサチを路上で逮捕した。ポンサチは欧州議員証を示したが、無視された。この事態に、プッチダモン亡命大統領は欧州議会議長Roberta Metsolaに「EUを代表するのだから、沈黙するのではなく事態に介入するよう」に要請した。しかし、欧州議会議長は担当者に連絡したというだけであり、欧州議会議員が逮捕されていることに対処しなかった。
 ポンサチは4月24日最高裁での陳述すること条件に4時間後に解放された。ポンサチは最高裁には出廷しないとしている。
 ドイツNeues Deutschland紙は「ポンサチの逮捕は欧州議員不逮捕特権を蹂躙するもので、民主主義否定の先例」と報道。スペイン最高裁は逮捕の前に、欧州議会の許可を得るべきだった、とも報じた。

  スコットランド国民党首が交代

 スタージョンにかわって、ハムザ・ユサフがスコットランド国民党首となり、首相に就任。ユサフはパキスタン移民の子どもで、初めての非白人・モスリムの首相となる。次回総選挙を独立住民投票と位置付けることはせず、スコットランドの民主主義と独立をめざすことを選挙公約とした。

参考資料

Clara Ponsatí returns home from exile and appears in Barcelona (elnacional.cat)

https://www.elnacional.cat/en/politics/mossos-esquadra-police-arrest-clara-ponsati-in-barcelona_997764_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=da36a0a0a1-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-da36a0a0a1-293793389
https://www.elnacional.cat/en/world/humza-yousaf-new-leader-scottish-national-party-nicola-sturgeon_996864_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=e72be9ef49-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-e72be9ef49-293793389

 

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