ALT・会計年度任用職員が反撃開始

 公務職場で働くALTや非常勤職員が会計年度任用職員に地位変更されて3年が経過する。次々と問題点が出てくること、またその解決は集団的に行うことを筆者は力説してきた。

こうした中、東京と大阪から反撃ののろしが上がった。

  都労委・府労委が救済申立てを却下

 筆者が所属する大阪教育合同労組は、2020年度末にALT・非常勤講師などの継続雇用を求めて大阪府・府教委に団交を申し入れたが、継続雇用は「管理運営事項」だという理由で、府・府教委は団交を拒否した。教育合同は大阪府労働委員会に救済を申し立てたが、府労委は2023年1月に申立を却下した。その理由は、講師たち会計年度任用職員は地公法適用になったために、教育合同は労組法が定める不当労働行為制度による救済申立はできないというものである。教育合同は、却下決定の取り消しを求めて、中央労働委員会に再審査を申し立てた(教育合同HP)。

 東京ゼネラルユニオン(東ゼン労組)は、都立学校等で働くALTたちが会計年度任用職員に地位変更された2020年7月に労働条件改善等を求めて都教委に団交を申し入れたが、都教委がこれを拒否したため、東京都労働委員会に救済を申し立てた。しかし、2022年9月都労委はALTが地公法適用であることを理由に、東ゼン労組は救済申立ができないとして、却下決定を行った。東ゼン労組は、2023年3月都労委決定取消訴訟を東京地裁に提起した(都労委決定)。

  労働基本権奪還の道筋

 会計年度任用職員を地公法適用として、労組法適用排除した国・地方自治体の思惑通り、団交拒否や雇止めが引き起こされている。あからさまな団交拒否は、組合側から雇用継続を申し入れた東京・大阪でみられ、それ以外の地域では団交は行われているようである。それでも、雇止めについては泣き寝入りの状況も見られる。
 府労委・都労委決定の取消を求める取り組みは、中労委と東京地裁を舞台にして行われていくが、会計年度任用職員など非正規公務員の労働基本権を取り返す取り組みは各地で繰り広げられることになろう。

 筆者はこの取り組み提起を、官製ワーキングプア研究会レポート41に投稿した(report41)。

   

 

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