西仏サミット カタルーニャ独立運動は終わらない

 スペイン政府の悪だくみ

 1月19日、スペイン・フランス首脳サミットがバルセロナで開催された。サンチェス・スペイン政府は「カタルーニャ独立運動は終わった」ことを見せたいため、マクロン大統領を招待したのであった。第2次サンチェス政権が、2020年発足以降、カタルーニャ政府との対話を進めるとしたものの、対話は3回しか行われなかった。他方、刑法改正に手を付け、欧州基準にない「扇動罪」を廃止する過程で、カタルーニャERCの支持を取り付けた。国会で刑法改正が成立すると、サンチェス政権は「ERCが刑法改正に賛成したのは、独立住民投票が違法だったと認識したことに他ならない。これで、カタルーニャ独立プロセスは終焉した」と豪語した。その証のために、首脳サミットをカタルーニャ首都で開催するとした。

 独立運動の再統一

 しかし、刑法改正は公共秩序悪化罪など大衆運動を抑圧する罪が新設され、これらの罪状解釈が検察・裁判官に委ねられる懸念が指摘されていた。そして何より、改正刑法がプッチダモンら亡命政治家の逮捕と重罰化を狙ったものであることが明らかになるにつれ、独立運動は首脳サミットに抗議する取り組みを開始した。
 ANCなど市民団体がサミット当日の集会デモを呼びかけ、独立派諸政党、労働組合、住民組織など30を超える団体が賛同することとなった。ERCはカタルーニャ政府首脳がサミットに出席したものの、組織として集会・デモに参加した
 首脳サミット当日、平日午前9時にもかかわらず予想された5千人を上回る3万人(警察発表6,500人)が集会・デモに参加、「独立運動は健在」であることを示した。集会は、サミット会場からよく見える場所で行われたため、「ノーマルなバルセロナ」を示そうとしたサンチェス首相の意図はくじかれた。イギリス・タイムス紙は、「独立運動は弱まっているが死んではいない」と報じた。感想を求められたマクロン大統領は「どこにもこの種の問題はある。ヨーロッパの経済的・技術的・軍事的主権が重要」と答えた。

参考資料

https://www.elnacional.cat/en/politics/thousands-catalan-independence-supporters-whistle-disapproval-sanchez-macron_954627_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=5df429f19f-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-5df429f19f-293793389
https://www.elnacional.cat/en/politics/emmanuel-macron-permanent-dialectic-spanish-catalan-questions_954837_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=5df429f19f-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-5df429f19f-293793389
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