国連がスペイン政府の人権侵害を断罪
8月31日、国連自由権規約人権委員会は、カタルーニャ政治犯が申し立てていた人権侵害を認め、スペイン政府を断罪した。
2017年10月1日に行われたカタルーニャ独立住民投票に対してスペイン政府・裁判所・警察が一体となってこれを妨害・弾圧した。10月28日には州政府および州議会を解散して中央政府が直轄統治し、プッチダモン州首相らを亡命に追いやるとともに、ジュンケラス副首相らを逮捕勾留した。12月の再選挙で当選すると、2018年7月に反逆罪で告発することでジュンケラスら4人の州閣僚の議員資格を停止した。同12月、4人は基本的人権と政治的権利が侵害されたとして国連自由権規約人権委員会に申し立てを行った。2019年10月14日、4人には他の同僚ら5人とともに、扇動罪で禁固9-13年の最高裁判決が言い渡された。2021年6月には、部分恩赦で釈放されていた。
4人は、判決前に議員資格停止するのは「市民的及び政治的権利に関する国際規約」25条違反だと主張した。国連人権委員会は、有罪判決前に自動的に議員資格停止となる反逆罪の適用は予見不可能であり、法律が定める合理的かつ客観的な理由に基づいていない、判決より前に議員資格停止したことは、予測可能な法の支配に反するものである、とスペイン政府の人権侵害を認めた。
「自治か独立か、しかしなによりヨーロッパ」
8月30日、パリで「自治か独立か、しかしなによりヨーロッパ」と題する討論会が行われた。これは、フランス経営者協会MEDEFが主催する経済モデル会議の分科会であった。
討論会に出席したアラゴネス(カタルーニャ)首相は、ヨーロッパ合衆国の構成メンバーにカタルーニャがなることが希望であり、そのためにスペイン政府と独立住民投票を行う合意を目指すと発言した。フランスからの分離が課題となっているコルシカ代表は、カタルーニャの現状のような「自治」を希望するとしたが、討論会に参加したフランス閣僚の一人は「存在するのはフランス人だけ」と発言した。
参考資料