スペイン非常事態宣言延長で地域無視-右派との連携強まる

 5月20日、スペイン国会は国家非常事態宣言の延長を決めた。これで5度目であり、6月7日まで延長される。社労党・ポデモス連立政権は、国家非常事態宣言のもとで中央集権化をはかり、自治州の権限を剥奪したことから、反発が高まった。連立政権を支持していたカタルーニャ独立左派ERCは、反対票を投じた。他方、右派政党シウダダノスが延長に賛成したため、どうにか177対162で国会承認を得た。
 連立政権が右派と連携していることを反映してか、コロナ危機で職を失った100万人の労働者が給付金(ERTO)を受け取れない事態になっているが、政権内では何の協議も行われていない。そうしたことから、ポデモスは入閣が目的だったのかと揶揄されている。

 感染激増で捜査
 スペインでは3月中旬に新型コロナウイルス感染が激増した。このことについて、治安警察がスペイン健康省感染チーム専門家を捜査対象としている。
 スペイン健康省は、3月5日に予定された宗教者の集まりには警告を発して中止させた。しかし、3月8日にマドリードで開催された国際女性デーには12万人、極右Vox集会に9,000人、サッカー試合観客に6万人がそれぞれ集まったが、スペイン健康省は中止させなかった。その1週間後にマドリードで感染確認が激増した。このことから、治安警察が健康省感染チーム専門家を捜査対象にしているというのである。

 プッチダモン、「独立宣言を凍結したことは歴史的失敗」と反省

スーツを着た男性

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 5月18日、プッチダモンはLaMordaza.comのインタビューに答えて、2017年にカタルーニャ独立宣言を凍結したことは歴史的誤りだと語った。
 プッチダモンは、2017.10.10に独立宣言を行うことにしていたが、スペイン政府が協議を求めていることを知らされ、またその情報は海外からも寄せられたため、宣言を凍結した。しかし、スペイン政府が憲法155条を適用してカタルーニャ自治権を凍結するための時間稼ぎの罠であったことが分かった。そして10月27日のカタルーニャ議会による独立宣言は、中央政府の憲法115条適用によって取り消された。
 プッチダモンは、いまなら独立宣言凍結などしなかったと反省した。

参考資料

https://www.elnacional.cat/en/news/coroanvirus-spain-civil-guard-epidemiologist-simon_506022_102.html?utm_source=Newsletter+ENGLISH&utm_campaign=889dd8803f-EMAIL_CAMPAIGN_2018_05_23_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_a9bc005625-889dd8803f-293793389
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