9月23日、スペイン治安警察は「共和政防衛委員会CDR」のメンバー9人を逮捕した。また10数か所の家宅捜査を行った。容疑は、テロ、爆破物所持、反逆罪である。2人は釈放されたが、7人はマドリードに移送され26日に特別法廷に出廷する。
テロ容疑であるが反テロ法に基づく処置の適用はなく、同容疑の2人が釈放されるなど、でっち上げとの批判が起きている。2018年にもテロ容疑で2人のカタルーニャ市民が逮捕されたが、後日「不服従罪」に変えられている。
当日、逮捕に抗議する集会・デモがカタルーニャ各地で行われた。被逮捕者が移送される車には「みんながついているぞ」との声が届けられた。「亡命政権」といえる「共和政協議会」は新たな弾圧であり、溢れる民主主義で跳ね返すとの声明を出した。
議会解散総選挙、独立住民投票2周年、政治犯判決目前
逮捕当日、サンチェス首相は議会を解散して11月10日に総選挙を行うことになった。これは4月総選挙の結果で第1党になった社労党が過半数をとっていないために連立政権をつくらねばならなったが、右派(国民党・市民党)にも左派(ポデモス)にも連立を呼びかけなかったことで、政権が樹立できなかったためである。
10月1日はカタルーニャ独立住民投票2周年であり、住民投票を実行したことで反逆罪に問われた州政府閣僚・議会議長たち政治犯の最高裁判決が10月初旬に言いわたされることになっている。このタイミングで逮捕劇が行われた。
さっそく右派政党は、カタルーニャ独立運動はテロの温床とのキャンペーンを始めた。
10月、スペインは大荒れになる。
参考資料
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